イチョウといえば街路樹の定番ですが、その葉っぱには、ものすごい力が秘められていたのです。今注目のイチョウ葉エキスの効果とおすすめ商品などを紹介します。
目次
記憶力アップ・抗酸化作用で注目のイチョウ葉エキスとは?
イチョウの歴史をご存知ですか。イチョウは、日本でもあちこちで見かける身近な街路樹ですが、なんと2億5千万年以上も前から地球に存在する、恐ろしく生命力の強い植物です。恐竜の時代から生き残ってきたイチョウは、植物として特殊な成分を持ち、その健康効果が今大きな注目を集めているのです。太古の植物であるイチョウの研究が始められたのは、まだ歴史が浅く1960年代です。
1965年にドイツで医薬品として認められると、ヨーロッパ全土でイチョウ葉の研究がなされるようになりました。イチョウ葉エキスは、イチョウの葉を乾燥させてアルコールなどにより抽出された有効成分を、サプリメントなどの形で摂取するものです。
その特徴は「フラボノイド」と「ギンコライド」という2つの成分で、血管を強くし、脳細胞を活性化させる働きが期待されています。その健康効果から、すでに海外では数十カ国で医薬品として認可されているのですが、残念ながら日本ではまだ医薬品扱いにはなっていません。
イチョウ葉エキスの2つの特徴成分
1.ポリフェノールの一種・フラボノイド
フラボノイドは、黄色系統の色素でバナナ、レモン、パイナップルにも含まれるポリフェノールの一種です。4000種類以上もあり、緑黄色野菜のβ-カロテン、ブルーベリーのアントシアンなどもフラボノイドの仲間です。
イチョウ葉エキスには、そのうち30種類ものフラボノイドが含まれているうえに、血流を促進する効果の高い「二重フラボン」が6種類も含まれているのが特徴です。この二重フラボンは、フラボノイドが2つ重なっているもので、血行を促進させ血管自体を強化する働きがあり血糖値を正常化します。
その効果は、普通のフラボノイドの3倍もあると言われているのです。特に、コラーゲンやエラスチンなどの、皮膚や血管の材料となる成分の酸化を抑制する作用により、循環器系の病気の予防に大きな効果が期待されています。
2.イチョウ特有の成分・ギンコライド
ギンコライドは、植物の中でもイチョウ葉エキスにのみ含まれている成分です。活性酸素の害から脳細胞を守り、記憶力や集中力を高めて、認知症を予防する働きが期待されています。また、血小板の凝固を防ぎ、血栓が出来ないようにする作用があります。アトピー性皮膚炎、花粉症、ぜんそくなどの、アレルギー症状を改善する効果も認められています。
イチョウ葉エキスの5つの効果・効能とは?
1.脳機能障害の改善
ヨーロッパでは、すでに認知症の予防薬として使われているほど、脳機能への効果が期待されるイチョウ葉エキス。脳の血流が良くなることで、酸素やブドウ糖が十分に脳に行き渡ることにより、記憶力が向上し、集中力を高める効果があるとされています。
イチョウ葉エキス特有のギンコライドは、短期記憶を司る海馬領域の、アミノ酸を増やす働きのあることがわかっており、認知症を改善することが期待されています。脳血管性認知症は、脳梗塞などの病気によって発症する認知症ですが、脳の血流を良くすることによって、これらの脳血管疾患を予防することが、脳血管性認知症の予防につながるのです。
アルツハイマー型の認知症は、脳にアミロイド-βというタンパク質のシミが多く見られます。イチョウ葉エキスには、このアミロイド-βの蓄積を抑制し、量を減らすことが出来る作用があると考えられています。アルツハイマー型認知症についても、その予防効果が期待されています。また、うつ病も脳の血流の低下が原因であるということが、最近の研究によってわかっています。
脳の血流が悪くなると、全身の血流が悪くなり、低体温、冷え性などの不調が出るとともに、脳内のセロトニンやノルアドレナリンなどの、神経伝達物質の減少につながると考えられています。脳の血流を良くすることが、これらの必要な神経伝達物質の分泌を促し、うつ病の予防につながると期待されているのです。
2.抗酸化作用
フラボノイドの強力な抗酸化作用は、活性酸素の発生を抑制します。悪玉コレステロールが活性酸素によって酸化すると、血液の粘度を高めるので血がドロドロになる原因に。血液がドロドロになると、血流が悪くなり、血管壁にくっつくため動脈硬化や高血圧の原因にもなります。イチョウ葉エキスの抗酸化作用によって、血液をサラサラの状態に保つことが出来ます。
また、活性酸素は細胞膜を酸化させる「過酸化脂質」を作り出します。この過酸化脂質によって細胞が老化し、シミやシワの元になったり、細胞のガン化など様々な病気の原因になると考えられています。イチョウ葉エキスの抗酸化作用は、細胞を老化から守り、美肌を維持する効果もあるのです。
3.抗血液凝固作用
血小板活性因子(PAF)は、血小板を集めて血栓を作る、アレルギー反応や炎症を起こすもととなる、循環器系の機能障害を起こすなどの働きがあります。また、PAFは血管から血液中の水分を外にしみ出させてしまうという作用があり、血しょうが減ることで、血液の濃度と粘度が高くなり、血流が悪くなります。
イチョウ葉エキスには、このPAFの作用を抑える働きが認められていて、脳梗塞や動脈硬化などの予防効果が期待されています。ただし、この作用は出血が止まりにくくなるため、外科手術を受ける場合には、2週間前から摂取をやめるようにしましょう。手術中の出血がひどくなってしまう可能性があるためです。
4.血管拡張作用
イチョウ葉エキスには、血管を拡張し、血流を良くする働きがあります。トランボキサンA2という、動脈や気管支など血管を収縮させたり、血小板を集める働きのある物質で、イチョウ葉エキスは、そのトランボキサンA2の働きを抑制することで、血管を拡張させるのです。
特に、末梢血管の血流を良くすることがわかっており、冷え性はもちろんのこと、肩こり、めまい、耳鳴り、生理痛、頭痛などの不快症状を緩和できるのです。全身の血流が良くなれば、血中コレステロールの低下、血糖値の低下なども期待できるので、生活習慣病の予防にも役立つでしょう。
血管拡張作用の他に、抗酸化作用、抗炎症作用の複合的な働きにより、急性高山病を改善するという報告もあります。登山をする人は、山に登る前にサプリメントを服用すると良いかもしれません。
5.抗炎症作用
血小板活性因子(PAF)は、血管に炎症を起こしアレルギーを引き起こしたり、血栓を作るという、体にとって良くない作用があります。イチョウ葉エキスには、このPAFの働きを抑制する作用があるので、アレルギー症状などを抑える、抗炎症作用があるとされています。アトピー性皮膚炎や花粉症などの、アレルギー症状の緩和に効果があります。
イチョウ葉エキスに副作用はあるの?
胃のむかつき
イチョウ葉エキスに含まれる、ギンコール酸というアレルギー物質により、軽度な副作用が起きる場合があります。胃のむかつきなどの胃腸障害ものそのひとつです。重篤な副作用ではないものの、サプリメントを選ぶ時には、ギンコール酸が除去されているものを選びましょう。
間違っても自分でイチョウの葉を拾ってきて乾燥させ、それをお茶として飲む、などの行為は危険です。ギンコール酸をそのまま摂取することになるので、副作用が起こりやすくなってしまいます。イチョウ葉エキスを飲む時は、必ず安全性が確かめられている製品を購入するようにして下さい。
頭痛
イチョウ葉エキスが、体質に合わないと頭痛が起こることもあります。サプリメントは、ギンコール酸が低量もしくは除去されているので、それほど心配はないのですが、それでも飲んでみて、頭痛などが起きれば服用を中止しましょう。
皮膚アレルギー反応
ギンコール酸には、皮膚アレルギー反応を起こす作用もあるため、皮膚にかゆみや赤みが出た時には、服用を中止して、皮膚科に相談しましょう。もともとアレルギー体質の人は特に注意して下さい。
めまい
イチョウ葉エキスの血行促進作用によって、めまいが改善されることもあるのですが、逆に、副作用としてめまいが出る場合があります。ただし、通常の摂取量では、そのような症状が出ることはほとんどないとされています。ギンコール酸が除去されたもので用法・用量を守って服用すれば、さほど心配する必要はないでしょう。
イチョウ葉エキスと併用する際に注意が必要な薬・3つ
1.抗血小板薬・抗血液凝固薬
イチョウ葉エキスには抗血小板凝集作用があるので、特にアスピリンやワルファリンなどの抗血栓剤とは、併用してはいけないとされています。小さな傷でも血液が止まりにくくなることがあるためです。サプリメントを飲む際には、必ず医師に相談の上服用するようにして下さい。
2.インスリン
イチョウ葉エキスは、血糖値の上昇を緩やかにする働きがあるので、ドイツやフランスでは、イチョウ葉エキスとインスリンの併用で、糖尿病治療に大きな効果を上げているという報告もあります。
血糖値の働きを正常に近づけるということは、イチョウ葉エキスがインスリンの作用に影響を及ぼすということです。糖尿病の治療中の人は、その作用が治療の妨げになることもあるので、サプリメントを飲む時は、必ず医師に相談してからにしてください。
3.抗てんかん薬
てんかんの薬を飲んでいる人も、イチョウ葉エキスの併用は良くないとされています。イチョウ葉エキスが、てんかん発作を引き起こす可能性があると考えられているためです。必ず医師に相談の上、服用するようにして下さい。
イチョウ葉エキスの人気のサプリ・4選
1.アサヒ シュワーベギンコ
健康食品GMP(適正製造規範)の認定を受けた工場で生産される、製品の品質と安全性の高いサプリメントであり、世界で最初にイチョウ葉エキスの抽出に成功した、ドイツのDr.W.シュワーベ製薬のイチョウはエキスを使用しています。
イチョウ葉専用畑で収穫された無農薬のイチョウ葉を使い、良質なイチョウ葉エキスだけを抽出、副作用の元になるギンコール酸を5ppm以下に抑えています。価格が少々高めだけれど、頭痛がよくなった、集中力が続くようになった、頭がすっきりしたなどの口コミが多く、飲んだ人がその効果を実感できているようです。
2.DHC イチョウ葉
ペパーミント風味で飲みやすく加工されており、続けやすい価格も魅力のイチョウ葉エキスサプリメントです。ビタミンB群も配合されており、血流を良くしたい人、「うっかり」を予防したい人へおすすめです。頭がすっきりする、うっかりの数が減った、冷え性が改善したという口コミも。味については好みが分かれるようです。
3.ファイン イチョウの葉エキス粒
イチョウ葉エキスの他に、ニンニクエキスも配合されており、家族全員の健康維持に役立ちます。にんにくは、独自の技術で無臭加工されているので、においの心配はありません。副作用が心配されるギンコール酸については、除去処理がされているので安心です。飲む前よりも記憶力が改善された、小粒で飲みやすい、においが気にならない上にコスパが良いと評判です。
4.ネイチャーメイド イチョウ葉
『ネイチャーメイド イチョウ葉』ではハーブとして人気の成分イチョウ葉に着目。『記憶の精度を高める2つのイチョウ葉成分を配合しています。イチョウ葉に含まれる2つの機能性関与成分「イチョウ葉フラボノイド配糖体」「イチョウ葉テルペンラクトン」が知覚や認識した物事の想起などの認知機能に作用し「記憶の精度を高める」ことが期待できます。
比較
紹介した商品を比較したところ、ファイン イチョウの葉エキス粒が圧倒的にコスパがいいという結果になりました。相乗効果が発揮される無臭ニンニクエキスも添加されているのも好ポイント!
1粒あたりのイチョウ成分含有量 | 1粒あたりの値段 | 1mgあたりの値段 | |
1.アサヒ シュワーベギンコ | 40mg | 70円 | 1.8円 |
2.DHC イチョウ葉 | 60mg | 25円 | 0.38円 |
3.ファイン イチョウの葉エキス粒 | 73mg | 5円 | 0.06円 |
4.ネイチャーメイド イチョウ葉 | 30mg | 25円 | 0.75円 |
まとめ
秋には道路を埋め尽くすイチョウの葉に、こんなにすごい健康効果があったとは!認知症の改善も期待できるイチョウ葉エキスは、今後もっと需要が高まるかもしれませんね。
ヨーロッパでは、医薬品として認められているほどの効果があるイチョウ葉エキスですが、医薬品の認可基準が厳しい日本では、まだサプリメント、健康補助食品です。病気の治療は出来ませんし、飲めば飲むほど健康になるものでもありません。
体質に合わない場合もあるので、必ず用法・用量を守って摂取するようにして下さい。ただし、薬との飲み合わせや、副作用が出た場合の症状を知っておけば、安心して飲むことが出来るサプリメントです。記憶力の向上や冷え性、肩こり、頭痛の解消にと様々なことに役立てて下さい。