係長の日常のマネジメント②
係長は、プレイング・マネージャーであり、業務を自らも実施しながら、係の職員を指揮・監督し、人材育成にも配慮しながら係業務全体を推進していく役割を持つ。従って、係長はまず、仕事に精通する。自分自身を固めることが第一である。
次に、係長は係のチームワークに留意する。自分ひとりで仕事ができるわけではないので、職員一人ひとりの働きかけや会議などにより、常に係職員と良好なコミュニケーションを維持し、仕事の内容を係内で共有するともに、係としての一体感を醸成する。係という自分の足元を固めることが第二である。
その上で係長は、リーダーシップを発揮し、係の業務を進める。係の目標を示し、職員を動機付け、適切な進行管理により、引っ張っていく。第一、第二の基礎の上に立って、業務を円滑に推進していく。
このような過程において、上司である課長や部長、あるいは同僚たる他の係長や他の課・部の職員などと良好なコミュニケーションを保ち、上および横との連携を忘れないようにする。特に、上司との連携は基本的かつ極めて重要である。また、組織の外部である住民や議員などと接するときは、係の業務が外に出ていくことを十分に認識し、慎重に対応することが必要がある。さらに、社会経済の状況や国の動きなどには常に留意し、係や課の課題について、問題意識を忘れないように心がける。
係職員の育成は、こうした過程を通じて行われ、併せて、係長自身も勉強し成長していくことを目指す。人を育てることは自分の成長に結びつくということを念頭に置いておきたい。
業務がはかどり、コミュニケーションが円滑であり、組織が一体感を持ち、職員一人ひとりが成長すれば、仕事の達成感とやりがいは大きい。係長はこのようにして職責を果たしていくのである。