目次
事件の概要
本件は、原告が共有持分を有する複数土地について、令和4年度・令和5年度の固定資産税及び都市計画税の賦課決定を受けたことから、
各年度の価格登録に対する審査申出の決定(棄却・却下)および賦課決定処分の取消し等を求めた事案です。
争点は、無道路かつ不整形の土地に対する評価方法(不整形地補正・想定整形地の設定等)の適法性、
並びに地方税法附則に基づく負担調整措置を踏まえた課税標準額・税額算定の適法性に及びました。
裁判所は、令和4年度・令和5年度の各賦課決定処分を取り消す一方、原告のその余の請求は棄却し、
訴訟費用は4分の1を被告負担、その余を原告負担としました。
争点
- 無道路・不整形土地における価格評価(不整形地補正、想定整形地設定等)の適法性
- 固定資産課税台帳登録価格に対する審査申出(棄却・却下)決定の適法性
- 地方税法附則の負担調整措置に基づく課税標準額・税額算定の適法性
- 国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求の成否
裁判所の判断ポイント
1. 登録価格の適法性判断枠組み
裁判所は、固定資産評価における「適正な時価」と評価基準適合性の審査枠組みを前提に、
価格決定過程が評価基準およびその解釈運用に照らして合理的かを検討しました。
2. 無道路地・不整形地の評価手法
無道路地に対して、常に評価基準上の不整形地補正を当然適用すべきかは別問題であることを踏まえ、
事務取扱要領等に基づく「所要の補正」の位置づけ、想定整形地設定の合理性などが審理対象となりました。
3. 負担調整措置と税額算定
賦課決定処分の適法性判断では、地方税法附則の負担調整措置に沿って
課税標準額および税額が適正に算定されているかが中心的に検討されました。
4. 結論の構造
裁判所は、賦課決定処分(令和4年度・令和5年度)を取消しとする一方で、
審査決定取消請求や国家賠償請求を含むその余の請求は認めず、請求を分けて判断しました。
判例データ
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和5年(行ウ)第185号 |
| 事件名 | 審査決定取消等請求事件 |
| 判決日 | 令和7年3月27日 |
| 主文(要旨) | 令和4年度・令和5年度の各固定資産税及び都市計画税の賦課決定処分を取消し。その余の請求は棄却。 |
| 請求の構成 | 審査決定取消請求、賦課決定処分取消請求、国家賠償請求(弁護士費用相当) |
| 主要論点 | 無道路地・不整形地評価、想定整形地設定、負担調整措置、処分取消訴訟と国賠請求の関係 |
注意書き
本記事は判決内容の整理・解説を目的とする一般的な情報です。
同種事案でも、対象土地の個別事情、自治体の評価実務、年度ごとの法令・通達適用関係等により結論は異なり得ます。
実際の検討にあたっては、判決原文および最新の法令・実務資料をご確認ください。