鵜戸神宮・お乳水は、宮崎県日向市にあるパワースポットです。
海神トヨタマヒメが神々を養ったと伝わる洞窟の霊泉
宮崎、日南海岸に鎮座する鵜戸神宮は、日本の原点、母胎といえる霊跡だ。
境内は、鬼の洗濯岩と呼ばれる奇岩がとりまく海岸沿いに位置し、本殿は断崖を深くえぐる海蝕洞窟の中に建つ。すぐ目の前は、絶えず波頭が押し寄せる太平洋である。
そこは、今に続く天皇家のルーツが、皇祖神を奉じる一族と海神を奉じる勢力との交わりによって生まれたとする神話を象徴とする霊跡だ。
ヒコホホデミ尊にその正体を見られた海神トヨタマヒメは、御子ウガヤフキアエズ尊を洞穴に残し、「左の乳房をひききり給ひ、岩の傍に投げ付け」て竜宮へと帰還。御子はその“乳の岩”から滴る母乳で育った、と伝わっている。
そのあとは、今も洞穴内に「お乳岩」として残されている。本殿裏の岸壁に、乳房の形をした岩が確かに一対並んでいるのだ。
鵜戸神宮では、古来そこからしみだした雫を集めて飴を練り、その水を「お乳水」と称して参拝者に授与してきた。
妊婦は「お乳飴」をなめれば母乳の出がよくなるといわれ、その水を飲めば安産・身体健全などの御利益があるといわれている。まさにムスヒの霊水なのである。